ドーベルマンの病気について

他の犬種よりも、ドーベルマンであるがゆえにかかりやすい病気、その見分け方と対処方法をブリーダーの立場からご説明させていただきます。

ドーベルマンがかかりやすい病気

聴診器

力強い筋肉質な体系で俊敏な動きを得意とし、長いネックと深い胸が特徴的なドーベルマンですが、それがゆえに他の犬種と比べてかかりやすい病気もあります。

中でも、●拡張型心筋症 ●胃捻転 ●ウオブラー症候群 この3種類の病気に対しては、ドーベルマンの飼い主として特に注意が必要です。

ここでは、このドーベルマンがかかりやすい3種類の病気について、詳しく説明させていただきます。

拡張型心筋症

ドーベルマンやボクサーなどに多く、心臓の壁が薄くなり心臓のポンプ機能が低下していく病気で、突然死の可能性もあります。

重症に至る前の初期の段階では殆ど症状は現れませんが、目だった症状がないドーベルマンでも不整脈や呼吸不全によって急激に重篤な状態になることもありますし、ついさっきまで元気でいたにも関わらず、何の前触れも感じる間も無く突然死に至る場合もあります。

咳・体重減少・疲れやすい・ふらつく・呼吸が苦しそう、といった症状が現れた場合は、拡張型心筋症の疑いがありますので、至急心臓疾患に詳しい獣医にて診断を受けてください。

しかし、残念ながら現在の医学では心臓移植以外では完治させることはできない病気で、通常は内科治療によって心臓機能を補助しながら病気と付き合っていかなくてはなりません。

胃捻転

グレートデーン・ボクサー・ドーベルマンなど、胸の深い犬種で起こることの多い緊急疾患です。ガスや液体などが過剰に貯まって胃が膨らんでねじれてしまう病気で、早急に的確な処置をしないと死に至ります。

胃捻転を起こしたドーベルマンは、胃がねじれてしまっているために何も吐くことはできませんが、何度も何度も吐こうとします。よだれを多量に流したり。落ち着きなくソワソワとした様子になることもあります。少し様子を見ようとしたり放置しておくと状態は一気に悪化していき、ショック状態となり死に至りますので、そのような症状がみられた場合は、1分1秒でも早く動物病院に駆け込んでください。。

病院での応急処置としては、口から胃へチューブを挿入して、胃の中のガスを抜いて胃のねじれを修復方法がありますが、一度胃捻転を起こしたドーベルマンは癖になり再度胃捻転を起こすケースが多いため、開腹手術で胃内のガスを抜き、ねじれた胃を整復した後に、ねじれの再発を防止するための胃の固定をすることを葵ケンネルではお勧めしています。

ウォブラー症候群

中高齢のグレートデーン・ボクサー・ドーベルマンなどがかかりやすい、脊髄が徐々に障害を受ける進行性の病気です。

ウォブラー症候群を発症すると、首を上げると痛みを感じるため常に頭を下げた姿勢で動きたがらなくなり、前足が強張ったように小さな歩幅でふらつくように歩くようになり、最終的には歩くことや立つこともできなくなります。

症状が軽い初期に発見できた場合は、頚部をコルセットで固定した状態で安静にし、鎮痛剤を使用するなどして状態が改善されるのを待ちます。

もし、それでも症状が改善されない場合や重症例では、外科的手術が必要となる場合があります。しかし、脊髄が広範囲にわたって重度な障害を受けていたりする場合などでは、完治が難しいケースもあります。

葵ケンネルで生まれたドーベルマンの子犬に関しては、お客様からウオブラー症候群を発症したとのご報告は1件も入っていません。

病気かな?と思ったら

大切な家族の一員であるご愛犬の調子がおかしい、食欲がない、元気がない、と思ったら、まずは動物病院にてなるべく早く診察を受けることが必要ですが、その前に信頼できる獣医を探しておくことが必要です。

小さな動物病院でも良いので、自宅から近く臨床経験が豊富で親身になって対処してくれる獣医のいる動物病院を1件、365日24時間体制での診療体制でCTやNRIなどの設備を兼ね備えている動物病院を1件、地域の評判などを元に探して準備しておくことが必要です。

大切な愛犬の命を守る第一歩は、ご家族の皆さまの普段からの心構えにあります。

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